遺言

ちらしのうら

ゆでたまごみたいにつるん

「赤ちゃんみたい」と言われたのを思い出す。こんなことばかりをしているのを見てると

赤ちゃんみたい、ってどう意味だろう。稚くいじらしい。無邪気で無垢。子供っぽくて大人の振る舞いを知らない。したい放題やりたい放題。無知で恥ずかしい…私が私に対して思うのは、悪い意味の、赤ちゃん。

私はすぐ自他の境目が曖昧になる。それは良くない事だと思う。そういう面では、いつになっても白黒思考が抜けない

いくら切り捨てても、残滓が付き纏って自傷する。剥いても剥いてもつるりとしない唇の皮みたいに、捨てても捨てても望ましい私にはなれない。…望ましい私、とは。私が望むものではなく、何時から、誰かが望むものこそがそれになったんだろう。殺すということは産むということ。先生が、産むこと、と言った。それは、私が言った、殺してきた、と、同じ意味だったんだ。それでも産むという方が、未来に繋がっている気がする。殺す、という表現しか使えなかった私に、産むという言葉を教えてくれたのは先生だった。…産むということは、痛みを伴う、のだと言う。殺す痛みは我慢できる気がするのに、産むのは、耐えられないかもしれない。なんて思った。同じなのにこんなに違う。不要なものを殺いで産まれた私は、より良い私だった、はずなのに、どうしてこんなに弱いんだろう。