遺言

ちらしのうら

一緒に逝こう

あれ?早く起きられた。

なんでだと思って考えてたら夢を思い出した。

女の子と心中する夢

やさしい光の差し込む海の中

最初は自殺未遂、懲りずに何度もなんども

色んな人が止めようとして、

彼女も最初はだめだといってきた

だけどふたりで逃げ出して

綺麗な海の底、ふたりきりの世界で、

キスしてさよなら

逝ってしまった私たちを止められなかったみんなが泣いたり責めたり悔やむのを上から見ていた

あれほど死にたくて仕方なかったのだから後悔なんて全くなくて、やっと楽になったとか、ひとりじゃなかった、とか ありがとうとかごめんねとか

頭に湧く感情はどれも遠く、心はただただ静かに凪いでいた

死んだんだな、と言う事実を遠くから眺めて、それだけ。