遺言

ちらしのうら

愛とは違うという愛

信じるとは難しいことで、最近よく振り回されている。

神様のように崇むべき人でなくてよかった。

その人は私とは立場が違う。

ちゃんと責任を負う義務のある、人。

だからそもそも友達ですらないのだけど。 

ただ、その人が忙しいから〜といっているのを見ると、途端に…すう、と、泣きたくなる。

なんだ、私なんかやっぱり…

やっぱり要らないんだなぁ。

誰かに必要とされてやっと生きていていいんだと思える

でもその「誰かに必要」とされている誰か、は別に自分じゃなくてもいい。代わりはたくさんいる。私じゃなくていい。

なんて、友達ですらない人にそんなことを想うなんて、自分はどうかしているんじゃないか

少し目線が逸らされたら「この話はしたくないんだろうな」声が急いていて。

眉間に皺が寄せられたら「嫌なんだ」

声のトーンが少し低いと「怒っている」

なんて面倒くさいことをずっとずっと考えてる。

会いたいときに会いに行ける人は何を考えているのだろう

私は会いにいったとき邪魔になったり、私のことなんて覚えてなかったり、…もう全然知らない子になっていたり。したら。とても怖い。

だから会えない。

 

私が死んだら泣いてくれるかな

ひとしずくでもいいから涙をくれるかな

それとも

私なんか死んでも

思い出してもくれないかな。

私にとっては大事な人でも、相手にしたら大勢のうちの一人なんだから

ああ

嫌になる

乱さないで。でもお願い。何ひとつ伝えないから嫌わないで。なんて。

ああ、距離が遠くなって…いままでと、同じように…そのあたたかい手のひらをはなして、ずうっと遠くに消えていくのを、見ないふりをする。悲しくなる。

いっそ殺してくれ、と思うけれど

優しいあの人はそうしてくれぬだろう。分かりきったことだった。