遺言

ちらしのうら

フィクション

愛しているから、なんて、一番いい言い訳だと思う。

疑うことも嫌うことも離れていくことも出来ない、いなくなったら生きていくことさえ出来ない

愛したいのに素直に抱きしめることが出来ない

先生の言った理想的な「愛している」が抱きしめてそう言うことだとしても、それじゃあ、とても、愛されていると思えない

それは苦しいと思う

だからやめることが出来ない

「打つ手も痛いんだよ、だけど愛しているから、打つんだよ」、なんて、

どこかで聞いたような話…

 

「愛している」なんて、これ程都合のいい言葉、他にないと思う。

「愛している」は「好き」であり「好き」ではない。

「愛している」は「たいせつ」であり「たいせつ」ではない

「愛している」と言えば殺すことさえ許される

都合がいい。

都合がいい。