遺言

ちらしのうら

黄昏れ、彼は誰

私はどう考えても幸福な家庭に生まれて、育った。という、自覚がある。恵まれていて、しあわせだった。ただ、そう言うと、否定する心理士さんもいる。だけど私はそう思えないから、「時々は、不運でした。」と、返す。

私に、お前のことなんて誰も必要としていない。みんなの為に死ぬべきだよ。と、言う私のことを、今では向かい合って、「そんなことないよ」と言えるのだけど、昔はそれこそが私自身で、不要物で、疫病神で、諸悪の根源は私なのだから早く消えたかった。私はある程度大きくなってからはそんな私が可哀想だと思っていたし、幼い頃から陰で泣いているとき、悲しいと感じる心の脇から、この子は可哀想だなと思うことがあった

だから、あるとき、私はそんな私を棄てた。何故って私も痛かったから。呪詛を吐く私に私自身も傷つけられていたから、切り取ってしまった。その私は今でも私にきえろ、と言うけれど、何時もではない。随分楽になったけど、切り取られて棄てられた私は、きっと悲しいんだろうな、と、時々思うことがある。幼い頃の思い出は、白い霞の中にあって、あまり実感がなかったり、よく思い出せないから、余計

 

と、言うのを、猫に対して、可愛がりながら、死んだら死んだときだ。そいつがいけないんだから。と言う父を見ていると、思い出す

可愛がるか、見捨てるか、どちらかにすればいいのに。よく分からない。

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きれいな空。手元がよく見えない、この時間が好き。暗闇が部屋に滲んできて、陰は淡く境界が曖昧になる。電気をつけるのが惜しい。