遺言

ちらしのうら

やわらかな橙色に抱かれて

おとなのいうことを聞く子がお利口で

いいなりにならない子は悪い子要らない子

 

怪我したって知らないから。病気になったらあんたが病院に連れてってよね、私は知らない。

そう言って遠巻きに見るだけ、見ないふり

危ない!とすぐ駆け寄って、怪我はない?大丈夫?と、言って、抱きしめて、欲しかったよね、そうだよね。

なぜ、いけないの?

なぜ、おこるの?

その理由を、きみは知っている?

私はね、きみに怪我して欲しくないから、命を守って欲しいから、守りたいから、その為にきみを叱るよ 

いいなりにしたいから叱るんじゃなくて

いい子にしたいから叱るんじゃなくて

 

きみがきみらしく生きるのがいい

だけど思わぬことで命を落とさないように

危ないことをしたら、その都度、こうしたら怪我をするかもしれないんだよ、だから、やっちゃダメだよ。って。私もきみが安心していっぱい遊べるように、危ないものは取り払うからね

 

私のやり方が、ただしいのかはわからない

でも私がして欲しかったことを、分からないで混乱したことを、かなしかったことを、きみにさせないために、ちゃんと考えるから

きみがしあわせに生きられるように、ちゃんと、考えるから…

ねえ、きみは、ちゃんと、しあわせ、かな?

 

そうして投影して慰めたい私のことを、きみは許してくれるかな