遺言

ちらしのうら

美しいひと

夢を見た

私は、癖の強い画風のアニメーションの中のひとり。不思議な雰囲気の女の人が好きだった。私が職場でいじめられると、その女の人が優しく撫でてくれる。だんだん追い詰められて、いよいよ世界が歪み始めると、女の人は私を連れて違う世界へ一緒に行ってくれた。その世界での女の人のお家はとても狭いところで、狭い部屋で私はあやされていた。心地がいいと思っていると、本当に赤子のように小さくなって、柔らかい胸に抱かれて、「大丈夫」と、何度も撫ぜられた。黒い長髪の、長い睫毛の美しいひとが、私だけを見ていて、窓の先に、紫色の朝焼けが見えて、それがとてもきれいで…

そこで目が醒める。夢の中で目が醒める。それが作品の中でのもの、としっていても、ガラス張りの建物の中で制作をする作者を、美しいひとと重ねて見てしまう。許されたくて、個展のポストカードを何枚か貰って、大切にファイルに挟んでから、そこで本当に、目が覚めた。

 

夢の中でもそんなことしてるのか。と、思った。でも、優しくて、安心したのは本当で、ああなら夢だってうそだっていいなあ、と思うのでした。許されたい。